2015年7月25日


 連日、国会包囲行動の警備のため出動している若き機動隊員諸君に熱い連帯の挨拶を送りたい。


 諸君は連日の出動によって、新安保法制反対、安倍政権打倒の本質を、意図せざるものではあったろうが、耳学問によって十分に理解することになったと思う。

 新安保法制による最初の犠牲者は若き自衛隊員から出ることになるだろう。そして、激減する自衛隊員応募に対応して補充の標的にされるのは諸君たちであろう。

 第1機動隊からは何名、第2機動隊からは何名と、事実上ノルマ化されてあなたたちは自衛隊への転籍を要求されることになるだろう。

 派遣先は、中東、アフリカ、南シナ海をはじめとするアジアであろう。

 武器使用は必至であろう。

 活動地域では砂漠で、原野で、森林で、敵と正面から戦うだけではない。一般市民の中でゲリラ、テロリスト、自爆テロと戦うことになるだろう。

 ゲリラ、テロリスト、自爆テロは一般市民とは区別がつかない。あなたたちは市民の姿をした人間を、女、子供をも、銃撃しなければならないだろう。

 諸君も殺されることになるだろう。

 即死できればまだいい。顔面を吹き飛ばされ、内臓がはみ出し、両手両足をなくしたまま、生きて戦場に放置されるであろう。

 場合によっては、さらされ、ひきずられ、生きているまま住民に石を投げられるだろう。


 戦争である、防衛である、国の存立の危機である。場合によってはそれらを耐えねばならないこともある。残念ながらそれは悲しい現実だ。

 しかし、大義のないまま、何か経済的な都合によって、何か権力者のメンツのため、若い諸君をそのような目に遭わせるようなことを断じてしてはならない。

 悲しい現実は悲しい現実として受けとめなければならないが、それは最低限にとどめられなければならない。

 ギリギリの選択として、上からの命令ではなく、土下座して若い諸君に犠牲となってもらうことを国民全体がお願いするものでなくてはならない。

 対米交渉を有利に導くためだとか、笑顔で握手できる首脳会談にするためだとか、国際会議でいい顔をするためだとか、そんなことのために若い諸君の命がカードとされては断じてならない。


 今、明らかになりつつあるのは、新安保法制がこのようなことに道を開くものであるのにとどまらず、安倍政権の体質がこのような問題について極めて安易だということだ。

 厳格な、抑制的な、慎重な法の運用が到底期待できないということだ。

 アメリカからの圧力に対して極めて脆弱、弱腰だということだ。そして外に弱く、内に対しては問答無用で強く出る体質の政権だということだ。

 非民主主義的、専制的政権だということだ。

 そういう政権の存続を許すことはできない。一刻も早く退陣させなければならない。


 勤務中の諸君は我々とともにシュプレヒコールを上げるわけにはいかないであろう。

 靴の中の足の指で、シュプレヒコールに合わせてリズムをとってもらいたい。

 「ハンターイ」「ユルスナー」の声が上がったとき、コブシを少し強くにぎり締めてもらいたい。

 そして、非番の時、私服を着てサングラスをかけ、デモの隊列に入るのは無理だろうが、歩道にたたずんでいてもらいたい。

 国会包囲行動は決着がつくまで、連日、途切れることなく、継続される。安倍政権が弱みを見せているからだ。一押し、二押しが有効な情勢だ。

 いつ来ても、諸君のいる場所はある。あなたたちは待たれている。

 今回の問題において、若い諸君こそ当事者なのだ!諸君こそすべてを知らなければならないのだ!