2015年6月22日
中国の軍事的台頭と北朝鮮の予測不可能性の前で、日本の安全保障の基盤をなす日米安保体制は変質していかざるを得ない。
しかし、それだからこそ、アメリカ依存度を高める必要があるというような態度をとるべきではない。
抑止力がもっと必要です、お願いですというような態度をとるべきではない。
依存を高める態度が見えれば、アメリカはそれに付け込んで諸々の要求を日本に突き付けてくる。
アメリカはアメリカ国民の利益が最優先である。そのために日本に多少の犠牲を強いることをためらわない。
日本もまた日本国民の利益を最優先しなければならない。
アメリカに安全保障を依存している以上、アメリカに譲歩せざるを得ない局面は多々ある。
しかし、それだからこそ、最小限の譲歩でアメリカからの安全保障を引き出せるよう努力しなければならない。
アメリカ側にも日本に依存せざるを得ない面があるのだ。
このような損得ゲームは同盟という友愛精神に反する側面を有する。
しかし、独立国とは、損得ゲームのプレイヤーであるとの宣言のはずだ。
大国は大国として、小国は小国なりに、友愛精神を掲げながら、各国のリーダーはしたたかに損得ゲームを繰り広げてきたのだ。
安倍首相は自国防衛力強化のために国民の中国、北朝鮮恐怖を煽ってきた。
その結果、自分の仕掛けた罠にかかってしまった。自縄自縛に陥った。
自分が煽ってきた恐怖から逃れるためにアメリカへの全面的協力を申し出るに至ったのである。
損得ゲームで自国の損になるカードを切っていることに気がつかないのである。
安倍首相は恐怖によって国のリーダーに必要なしたたかさを失ったのである。
強気のポーズは弱気の反映なのである。
そのことは多くの人に、とりわけ女性たちに、すでに気付かれてしまっている。
こんな低レベルの政治家は戦後初めてなのではないか。