2014年8月4日
朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第59回です。
【俳句】
ハンサムな・夏木にひとり・雨宿り (藤岡市 飯塚柚花)(長谷川櫂選)
(乙女心。)
汗まみれ・涙まみれの・迷子かな (神戸市 湧羅由美)(長谷川櫂選)
(この暑苦しさ!)
まだ若き・夏愛したり・白い雲 (朝霞市 小島雨花)(長谷川櫂選)
(夏にあごを出すのは老いなり。)
荒梅雨や・怒髪天衝(つ)く・こと許(ばか)り (高岡市 野尻徹治)(大串章選)
(漢字みんなで怒っている。)
夕凪や・点滅遅き・信号機 (神戸市 池田雅一)(稲畑汀子選)
(この時間帯は時間も滞る。)
竹林へ・開け広げある・夏座敷 (平戸市 辻美彌子)(稲畑汀子選)
(日本も亜熱帯アジアの国だ。)
ひきがへる・来世は捕手か・キーパーか(東大和市 板坂壽一)(金子兜太選)
(車に轢かれたか?思いをかけられて供養となる。)
【短歌】
離任の日・少年にもらいし・ハンカチを・あご当てにして・バイオリンを弾く (宮崎市 南栄子)(佐佐木幸綱選)(高野公彦選)
(学校というところは美しいところだ。)
ラーメン屋の・前に並びし・人の顔・智慧はあらざり・吾もそのうち
(長野市 沓掛喜久男)(高野公彦選)
(食い物のことしか考えていないのだから、みんな阿呆顔になる。)
遠泳の・列に舟寄せ・口あくる・生徒はげまし・飴放りやる (埼玉県 酒井忠正)(永田和宏選)
(学校とは生徒という生き物を育てる場ともとらえうるの図。)
もの忘れ・ひどくなったに・今朝方は・鮮やか過ぎる・失敗の夢 (西海市 前田一揆)(馬場あき子選)
(夢の中でも焦りはリアル。)