2014年7月21日


 朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第57回です。

 


 【俳句】


 夫呼べば・渡りて来よと・虹の橋 (横浜市 山本幸子)(稲畑汀子選)


 (亡くなっているんですね。)


 白南風(しらはえ)や・裏木戸を開けて・日輪 (さぬき市 野崎憲子)(金子兜太選)


 (梅雨明けの青空から吹いてくるのが白南風。この季語の良さに負けない作句。)


 先ず以って・男の咽(む)せる・ところてん (川越市 渡邉隆)(金子兜太選)


 (いっぺんにたくさん食べようとするからこうなる。女性の上品な食べ方が目に浮かぶ。)


 憲法九条・読みて昼寝す・真剣に (藤沢市 安田明子)(金子兜太選)


 (みごとに俳句になっている。ここにこそパワーがある。)


 行き交ふに・糊の触れ合ふ・浴衣かな (横浜市 田中靖三)(長谷川櫂選)


 (「ふ」がふたつあって涼しい句です。)


 藍浴衣・同級生に・出くはしぬ (東村山市 高橋喜和)(大串章選)


 (藍染で大人になっているわけだ。)


 【短歌】……偶然だと思うが、若い人の作品ばかりになった。

 


 うっすらと・埃ためゆく・マグカップ・君との恋は・もう埋められず (三条市 滝沢三枝子)(永田和宏選)

 


 (マグカップというレベルだったんだ。)

 


 ライオンは・戦意喪失・カバは尻・向けて立ち去る・僕らの恋に (熊本市 近藤史紀)(馬場あき子選)

 


 (孤立しているがゆえの高まり、というケースかな?)

 


 男子たち・「そっくりな人・見た」と言う・ねえちゃんだろうな・100パーセント (富山市 松田わこ)(佐佐木幸綱選)

 


 (そのねえちゃん、テレビのニュースに出てました、短歌の会の受賞者として。)


 思ってた・以上に大人・思っても・みないほど純・夏の高一 (富山市 松田梨子)(高野公彦選)


 (そのねえちゃんの歌。)