2014年6月16日


 朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第52回です。

 52回ということは1年経ったということになります。

 


 【俳句】 

 

  なし

 (「なし」に原因はあるであろう。主としてこちらの問題とは思うが、自分でもわからない。)

 


 【短歌】

 


 蔑みて・時代後れと・言い募る・幸福後れに・気づくことなく (奈良市 矢尾米一)(高野公彦選)

 

 (作者は「幸福後れ」にやや批判的なのだろうが、「時代遅れ」で「幸福後れ」であるほうがいいと思う。「蔑み」が不要なのだ。)

 


 パエリアの・底のお焦げを・ゴリゴリと・さらいつつまだ・切り出せぬこと (東京都 上田結香)(永田和宏選)

 

 (「サラダ記念日」調のものをあまり好まないが、この歌には「屈託」があるからいい。)

 


 我もまた・動物園で・肩車・するパパという・名の動物となる (東京都 田中洋)(永田和宏選)

 

 (肩車という対応が自然に出る不思議。)

 


 春空に・小学生は・車座で・男同士の・顔をしており (摂津市 添田尚子)(馬場あき子選)

 

 (実際、筆者の場合、小学生時代から気持ちは一人前だった。当然、大人などを尊敬していなかった。)

 


 福島に・住むなは天の・声として・他に住む人の・永遠(とわ)のご無事を (福島市 山田毅)(佐佐木幸綱選)

 

 (人類すべてディアスポラ(避難漂流民)と化したのが現代だ。安住の地は何処にもない。)