2014年1月23日



 安倍首相は靖国神社をお寺のお墓と同じものと考えているようだ。

 本日(1月23日)の朝日新聞朝刊によれば、ダボス会議参加の各国メディア幹部らとの会合で、中国メディアからの「戦争犯罪者を英雄だと思っているのか」という質問に対して、「いわゆるA級戦犯を称揚するためではない。そこにはヒーローがいるのではなく、戦争に倒れた人々の魂があるだけ。」と答えたそうだ。

 前々回(915)で報告したように靖国神社にある「遊就館」では戦没者を日本語では「靖国の神々」と表示し、英語では「hero」と表示している。また戦没者の生前の名前(仏教で言えば俗名)に「命(みこと)」を付して、例えば「佐藤一郎命(さとういちろうのみこと)」というように名づけている。神々として称揚(日本語)し、ヒーローとして称揚(英語)しているのである。このことは靖国神社の本質にかかわることで、そのことが否定されたら靖国神社は神社たる性質を失うことになるであろう。

 安倍首相はこのことを否定したのである。おそらく自分の気持ちを率直に語ったのであろう。しかし、そのような認識では靖国神社は許さないであろうし、週2回参拝という田母神氏も許さないであろう。靖国神社国家護持・靖国神社参拝に反対してきた側からは議論回避のための詭弁と評されるであろう。

 いくらなんでも現下の大問題に関する一国のリーダーの認識として安倍首相の発言はひどすぎる。問題が何かということがわかっていないのだ。