2013年9月2日

 朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第12回です。

【俳句】

 打ち続く・猛暑に文字を・忘れけり   

        (寝屋川市 岡原恵美子) (稲畑汀子選)

 留守番の・玄関に大・昼寝かな      

        (洲本市 高田菲路) (稲畑汀子選)

  (今回はこの二句。短歌には切実、苦悩、深刻等から来る「重み」による印象歌を得るが、「軽み」を信条とする俳句には「軽み」不足が感じられ印象句は得にくいような気がする。)

【短歌】

 リボン付き・ブラウス捨てる・心にも・リボン付けてた・我と別れて 

(東京都 西出和代) (高野公彦選)

 (これは成長なのだ。)

 六十八・光年先に・今もなほ・エノラゲイの見し・街はあるらむ

(尾道市 堀川弘) (永田和宏選)

 (そうとまで思わないとたまらないのだ。)

 無精卵・などと思って・ない亀が・土掘って産んで・土をかけてる              

(川越市 小野長辰) (馬場永田和宏選)

 (悪意なき人の罪。)