2013年6月24日


 朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第2回です。

【俳句】

 一時の・反り身に和む・田植えかな 

  (海老名市 川上益男)   (金子兜太選)

 (「いっときのそりみ」、休みなき田植え仕事の感じが出ています。でも今どき手植え?)

 早苗饗(さなぶり)・車のキーの・集められ 

(日光市 渡辺全朗)   (大串章選)

 (飲酒運転防止で伝統行事の姿も変わる、この発見が面白い。)

 夏料理・箸の細きを・楽しめり      

(堺市 吉田敦子)    (稲畑汀子選)

 (涼しさという言葉を使わずに涼しい。)


【短歌】

 知覧館に・特高兵の・遺書読みて・女子高生らの・忍び泣く見つ    

(舞鶴市 吉富憲治)  (馬場あき子選)

 (反戦心理形成に関する貴重な報告と思う。)

 サイコロに・西瓜を切って・売っている・スーパーのなか・夏はきにけり 


(摂津市 内山豊子)  (馬場あき子選)


 (早苗饗の俳句と同様、やや皮肉も含まれる現代風景の発見である。)

 我あての・メール三件・消せずある・息子と離婚・せし人からの  

(埼玉県 吉野ミヨ子) (佐佐木幸綱選)

 (母親の複雑な思い、短歌で歌うほかないというところ。)