2013年1月8日
数ある源氏物語絵巻については、いくつかの共通する様式が指摘されています。
例えば、屋根、天井を省略して斜め上から室内を眺める「吹き抜き屋台」、一筆横一線の目、一筆かぎ型の鼻の「引き目かぎ鼻」です。
そんな中で、女性の後ろ姿を描くときの「小頭」が様式の一つとなっていると思われ、その異常、不自然さが気になります。
右は平安時代後期の「国宝源氏物語絵巻」(作者不明)、下は下って江戸時代前期、住吉具慶作「源氏物語絵巻」です。
時代がこれだけ隔たっていても踏襲されているこの「小頭」の異常、不自然さ、これは様式化されたものと考えるほかありません。
女性の頭をこれだけ異常、不自然に小さく描くについては、現代の我々が推測しがたい当時の女性蔑視があるのではないか、そんな気さえしてきます。
識者の判断を知りたいものです。