2000年12月12日
前回、親鸞の「悪人正機説」(善人なをもて往生をとぐ、いわんや悪
人をや)と聖書の「心の貧しきものは幸いなり」(たしか、「神の国は彼ら
のものである」と続くのだったと思います。)に言及しました。
もう一つを加えて、私はそれらを世界の3大反語と呼んでいます。
すなわち、加える一つとはドストエフスキーの次のような趣旨の言葉
です。(正確ではありません。たしか「悪霊」の中に出てきたのだったと
思います。)
「人は、赤ん坊の頭を叩き割ることも、少女を陵辱することも許されて
いる。しかし、許されていることを本当に知れば、そのようなことはしな
いであろう。」
「人を殺してはなぜいけないのか」という問題にとって、とても重要な、
究極的な考えであると思われます。