2000年12月8日
西洋のバレーと日本舞踊はずいぶん違いますが、英語で言えばど
ちらも「dance」、日本語で言えばどちらも「おどり」、いかなる点を共通
として同じ言葉があてられているのでしょうか。
どちらも身体に重力がかかっていないかのように感じさせる身体活
動であるという点において共通であるというのが私の仮説です。
すなわち、バレーのほうは跳んだり、はねたり、回転したりと、瞬発
的筋力を使って重力がかかっていないかのような軽さを感じさせます。
日本舞踊のほうは、腰を落とし、ひざを曲げて、ひざの弾力性で上
体を自由にして重力がかかっていないような姿を実現します。
どちらも、重いおどりは下手なおどりです。
ともに、重力という人にとっての制約から解放されたいという欲望、
人がその制約から解放されている姿に美を感じるという性向、これら
がもたらした技ではないでしょうか。