2001年1月16日
「時間とは何か」について、短文で挑戦します。
水槽が仕切りによって二つの部分に分けられていて、片方には水
が、片方にはインク(水と同じ比重とする)が入っていて、それぞれ安
定状態にあるとします。
それぞれの内部の立場からすれば、永遠に何も変化は起きないわ
けですから、「時間」はありません。
水槽の仕切りを一挙に取り去ります。それぞれの立場からは「空間」
が一挙に拡大し、水とインクは交じり合い始めます。
それが「時間」の始まりです。
交じり合った水とインクは、いずれ交じり合いを終わって、安定状態
に至ります。その後は、もはや何の変化も起こりません。
それが「時間」の終わりです。
我々の宇宙は、150億年ないし200億年前に一挙に誕生し、その後の
断熱膨張により温度が低下し続け、それによって物質の状態が変化し
てきました。この宇宙の誕生時が、我々の「時間」の始まりです。
今後も膨張を続けるのか、停止状態になるのか、逆に縮小を始める
のか、それは現在わからないようですが(永遠の膨張はありえない)、
「空間」が一定の規模に固定した時、あるいは縮小して無に至った時、
もはや物質は変化せず、あるいは物質は消滅し、その時が、我々の
「時間」の終わりです。
我々の「時間」は、「空間」の変化とともにあり、永遠のものではないの
です。