2001年1月17日

  昨年(2000年)12月、テレビで御覧になった方もいるかと思います

が、私がそれまで知らなかった話です。

 
戦況悪化していた 昭和18年10月21日、雨の神宮外苑競技場で行
われた出陣学徒壮行式、参加した学徒2万5千人、スタンドで学徒を
送った人々5万人、そのうち女子学生2万人、作家杉本苑子によれ
ば、その最後に次のようなことがあったそうです。
 (神宮外苑競技場は現国立競技場、10月21日は国際反戦デーにな
っています。)

 雨の中の行進の最後が競技場を出ようとした時、出口近くのスタン
ドにいた女子学生たちが、思いを抑え切れず、統制を突如乱し、スタ
ンドを下りて学徒たちに駆け寄ったのです。

 「生等(自分たちは)、もとより生還を期せず」(東条首相に対する学
徒代表答辞)と死を覚悟していた学徒たちと、同じように彼らは死んで
いくのだ思っていた女子学生たちとの間に、杉本によればその当時で
は許されないことが、自然発生的に起きていたのです。