2001年5月2日

  小泉新政権の経済政策についてひとことだけ、問題点というか注目点と

いうか、それをお知らせしておきます。

  「構造改革なくして景気回復なし」、小泉新内閣のキャッチフレーズで
す。
  「構造改革」とは何か、何を改革しようとしているのか、「景気」とはそも
そも何か、株や土地が上がれば景気回復なのか、といった問題はあるの
ですが、それをひとまずおけば、このキャッチフレーズは一定程度の正し
さを持っていると思います。

  ただ問題なのは、それでは逆に「構造改革あれば景気回復あり」と言え
るのかということです。

  竹中平蔵経済財政担当大臣は、景気回復のためには我が国の競争力
を高める必要がありとし、競争力を高めるにはどうしたらよいのかとの質
問に次のように答えています。
「競争力を高めるためには競争するほかはない。」
  IT革命による経済成長にも限界感がすでに現われており、これしか言え
ないというのが現状なのです。

  この問題は、副作用の大きい「構造改革」をどのようなスピードでやって
いくのかを決めていくにあたり本質的な問題です。
  そして、それ以上に、成果も上がらないのに、「構造改革」の名のもとに、
それを錦の御旗にして、社会をより弱肉強食化されるおそれがあるという
問題があります。

  ゴールデンウイーク後半にも経済政策や景気論議の番組や報道がある
でしょうが、このことをちょっと頭において「専門家」たちの話を聞いてみて
ください。