2001年5月24日
ニュースでご存知のとおり、ハンセン病患者の隔離政策をめぐる熊本
地裁判決に対し、政府が控訴断念を決定しました。
患者さんたちの悲劇を思えば、当然といえば当然のことですが、控訴
すべきとの議論が強くあった中での政治決断であり、率直に小泉イニシ
アティブを評価すべきであると思います。
日本政府の決定で目が潤むというのは私にとって初めての経験でした。
歓迎の意を表わす意味で、ハンセン病をめぐる雑学を2点披露します。
ハンセン病差別を背景にした文学作品で最も有名なのは、何といって
も松本清張の「砂の器」です。
蒲田(わがふるさと)の国鉄操車場での殺人事件の犯人が、ハンセン
病の父親と放浪生活を送っていた過去を隠そうとする有名ピアニストで
あったという話です。
ずうずう弁が東北地方のみでなく、島根県出雲地方にもあるということ
を有名にした小説でもありました。
次はあまり知られていない話ですが、川端康成はハンセン病の文学者
の作品を高く評価し、ハンセン病療養施設を訪問して彼らを励まし、支援
していました。川端康成が応援していたハンセン病文学者として、名前の
漢字が分かりませんが、ホウジョウタミオ(「命の初夜」)、ミハトシオ(「花
に会わん」「夏椿、そして」)、シマダヒトシ(「橋」)がいます。
(恥ずかしながら、私はこれらの作品を見つけてはいません。)