2001年9月14日

  高校1年生の時、東京東銀座の映画館「松竹セントラル」で、同級生
たちと「アルジェの戦い」という映画を観ました。

 アルジェリアのフランスからの独立戦争を独立運動側から描いた映画
です。
  独立運動側は当然のことながらイスラム教徒たちです。アルジェリアか
らフランス軍、フランス市民を追い出すために自爆テロを繰り返し決行し
ます。
 そして、その映画では、自爆テロの犠牲者となるフランス市民の姿が、
例えば目抜き通りのカフェでくつろぐ家族たち、恋人たち、特に印象に残
るのはあどけない幼児の姿が、淡々と映し出されます。

  その映画は、勝利した独立運動側の子供たち、女性たちを含む戦士た
ちの犠牲を描くとともに、テロの犠牲となったフランス市民に対するイスラ
ム教徒の独立運動側の心の痛みを明確に表わしたものでした。

  今回のアメリカの同時多発テロの実行者たちに同じ思いがあるかないか、
それはわかりません。

   ただ、ブッシュ米大統領の声明にあった「『善』と『悪』との戦い」という単純
な図式は、たとえ軍事的決着が図られたとしても、真の問題解決には至ら
ず、むしろ永遠の闘争をもたらすものであるということを指摘しておかなけ
ればなりません。