2001年9月11日
前回の続きです。
前回、「普遍性を目指す『芸術』は『宗教』『哲学』との接点を
必然的に持つことになります。」と書きました。
しかし、人間と超越的存在・神との関係あるいは人間と他の動物・
存在との関係を「芸術」が取り扱うということになれば、それは「宗教」
「哲学」と接点を持つどころではなく、もはやその点において「芸術」は
「宗教」「哲学」そのものであるということができると考えられます。
そして、逆にいえば、普遍性を目指す「芸術」がターゲットとしている
ところと同じ「『人間である』という意識」をターゲットとしている「宗教」
「哲学」は、ある種の「芸術」であるということもできることになると考え
られます。
(違いは、おそらくメッセージの伝達方法であって、「哲学」は伝達にあ
たってあくまでも論理性が必要なのに対して、「宗教」「芸術」の場合は
「直感」というようなものを重要視するところにあると考えられます。)
そうなりますと、「宗教」はその教義のみでは評価しきれないのではな
いか、「宗教」を「芸術的達成」として、すなわち「芸術」が「日常性」をよく
攻撃しえているかという「芸術」を評価する尺度で「宗教」を評価しうるの
ではないかという答が浮かんできます。