2001年12月14日

前回の通信(一神教と多神教の共通点)について読者の方から
二つの質問がありました。

一つは、仏教では「無」とか「空」とかいう、それは「秩序」とはい
えないのではないか、という質問、もう一つは、宇宙必滅、太陽系
必滅、人類必滅ということが科学的に明らかになっている、現在
の「秩序」はつかの間のものでしかなく、永遠の「秩序」がありえな
いことが今や明らかになっているのではないか、という質問で、い
ずれも「秩序」信仰という宗教成立の基盤に疑問を投げかけるも
のでした。

二つの質問に対する答は共通です。

前回通信での「秩序」とは、人類の行動指針を成立させるものと
しての「秩序」でした。
「無」「空」も、「宇宙必滅」「太陽系必滅」「人類必滅」も、現世的
快適には反するものですが、世界はそのようなものとの認識のも
とで、人類の行動指針を導き出しうるものです。
そのような意味で、それらは「秩序」といいうるのです。