2011年7月20日
「うちわ」の場合、 描かれているデザインは別として、その構造は明らかに左右対称です。
それでは「扇子」の場合はどうでしょう。一見左右対象と間違うかもしれませんが、左右対称ではありません。
「扇子」の要(かなめ)を手前に置いて、右へは開きますが、左へは開きません。
紙を貼りつける前の竹の骨(親骨と中骨)のそれぞれは左右対称ですが、紙を貼ることによって右開きが決まるのです。
もちろん左開きに紙を貼ることは可能です。
しかし、右利きの人が右手で「扇子」を使うことを考えて、右開きのほうがしっくりと使いやすいので、右開きにするのです。
「扇子」を右手に持てば、右手親指がいちばん上の竹の骨(親骨)にぴたりと添い、右手人指し指が裏面の要(かなめ)のカーブにぴたりと添うことがおわかりになるでしょう。
道具の隠れた右利き優先はほかにも例(持ち手が横についた急須、片刃の果物ナイフ)がありますが、「扇子」も右利き優先ということを最近発見したので、季節でもあり、報告しておきます。
外国にも「扇」の類がありますが、それらはどうなんでしょう?