2002年2月14日

フランシス・コッポラ監督の「地獄の黙示録・特別完全版」を観ました。
3時間半の上映時間ですが、時間を感じさせない傑作です。前回のバ
ージョンは1980年日本公開で、私はそれも観たのですが、前回の難
解さは今回の特別完全版で十分に払拭されていました。

ベトナム戦争映画は、他に「プラトーン」「ディア・ハンター」「7月4日に
生まれて」などがあり、戦争賛美の映画もありますが、ここに題名をあげ
た映画は「地獄の黙示録」を含めて、ベトナム戦争の実態を厳しい眼で
描いた作品です。
ベトナム戦争を知らない世代がベトナム戦争を知るうえで、また戦争
一般を知るうえで必見の映画といえるでしょう。

これに対し、太平洋戦争の実態を描いた日本の映画は、「人間の条
件」「真空地帯」を知るのみで、他の映画は戦争賛美ないしセンチメンタ
ルなものばかりです。「真空地帯」は内地の軍隊の姿を描いたものであ
って部分的であり、「人間の条件」もセンチメンタルな要素がかなりあり、
やはりトータリティに欠けていたと記憶しています。

日本は映画の世界でも太平洋戦争を総括できていないのであり、アメ
リカに数々の批判すべきところがあるとはいうものの、上にあげたような
映画を観るとアメリカはやはりすごい国だと思わざるをえません。