2002年5月27日

福岡県庁の前の「東公園」、まさに「県庁の庭」という観を呈しているの
ですが、その公園の真ん中の小山の上に亀山上皇の銅像が県庁に正
面を向くかたちで立っています。
その台座に、何と、大きな文字で「敵国降伏」と書かれているのです。
ごていねいに、銅像下の案内板にはその4文字は「 ENEMY SURRE
NDER」だという英語の解説までがあります。

案内板の解説によれば、銅像は亀山上皇が蒙古襲来の時に「我が身
をもって国難に代わらん」と祈願したという故事に基づき、日露戦争の時
に建てられたもので、民族主義的、好戦的傾向が強かった時に建てられ
たということでしょう。

おそらく福岡県はその地理上の位置からアジアに向けた県の振興とい
ったものを打ち出しているものと思われ、市内の交通案内に中国語、韓
国語の表記があるくらいです。
にもかかわらず、「県庁の庭」のこのスローガンはいったい何でしょうか。
県庁を訪問したり、公園を利用するアジアの人々は「敵国降伏」をどう受け
とめると考えているのでしょうか。

交際を求めるに際してのこのデリカシーのなさ、相手についての想像力
の欠如は、交際する気がそもそもないのか、頭が悪いのかのどちらかとし
か思われません。