2002年8月22日

 私が大学生の頃、いかなる経緯であったのかをよく思い出せないので
すが、高校時代の国語教師に新宿でステーキをおごってもらいました。

( この国語教師はヘビースモーカーで、寺山修司の「煙草くさき国語教
 師が言うときに明日という語は最もかなし」というイメージにぴったりの
 国語教師でした。あだ名は「ケケチェック」。)

 その席で私が「いろいろと小説などを読んでも、ただただ『混沌』という
感想しかわいてこない。」などと甘えたところ、その教師は椎名麟三を紹
介してくれました。

 椎名麟三の何冊目かに「私は関西の一私鉄の名もない労働者である。
」という書き出しの「美しい女」(中公文庫にあり)という小説と出会い、私
は青春期を乗り切ることができたのでした。