2002年11月14日

 清水浩監督のコメディー・タッチの映画「チキン・ハート」(殴られ屋3人の
話。出演忌野清志郎、松尾スズキほか)、「生きない」(集団自殺観光バス
の話。出演ダンカンほか)を立て続けに見ました。(制作順序は「生きない」
が先。「生きない」はビデオで。)
 これまで知らなかった監督ですが、極めていい線を出しており、お勧め
です。日本のベケット(「ゴドーを待ちながら」の作者)、というとほめすぎか
な?

 「生きない」を見た後、この二つの映画を見るきっかけを与えてくれた方
に次のようなメールを出しましたので、映画の内容を推測いただくために
披露させていただきます。

「  レンタルビデオで見ました。「生の無意味」というテーマを取り扱うのに
 ベストの舞台設定がなされており、そしてそのテーマを取り扱うにあたっ
 てのしかるべきエピソードが取り入れられていることに、とても感心しまし
 た。
  ちょっと注文を言えば、その舞台とエピソードの上で、もっと軽く、もっと
 おかしく作ってもよかったのではないかと思いました。
  「生の無意味」を突き詰めていけば、人間の「けなげさ」→「おかしみ」→
 「あわれみ」という連鎖が生じると思うのですが、少し重々しく取り扱ったた
 めに「生の有意味」へのこだわりが感じられ、「生の無意味」への徹底を
 欠いたのではないかと思われるのです。
  「チキン・ハート」のほうが僕は好きです。 」