2003年3月3日
私が1月まで住んでいた福岡は「筑紫」と呼ばれていたわけですが、その
語源は「いつくし」であるという説があります。
「いつくし」とは「厳し」と書き、神威のいかめしい、おごそかである、尊く立
派であるという意味です(平家の厚い信仰があったことで有名な「厳島神社」
の例あり)。福岡は神格のある支配者による強大な王国が存在している土地
という意味で「いつくしの国」とされたのだという理解です。
ところで、「いつくし」は「美し」とも書き、「慈し」とも書きます。
「美しい」とは単に「きれい」という意味ではなく、そこにおごそかさ、尊さを
はらんだ概念だったのではないしょうか。
また、「慈しむ」とは単に「可愛がる」という意味ではなく、神あるいは権威
ある者が心を傾けるという意味だったのではないでしょうか。