2003年3月24日

 「気分が晴れる」「心が曇る」という表現に象徴されているように、人の心の
動きと天気は類似しており、それぞれを対象とする心理学と気象学はとても
似ている学問です。人間の心理状態を「気」ということもあるのですから、心
理学を気象学と改称してもいいかもしれません。

 天気を対象とする気象学のほうは、第1に、現象を晴、曇、雨、雪、台風等
々と区分し、第2にそれらの現象が発生するメカニズムを解明し、第3にその
メカニズムを動かす諸々の要素の観測可能性を高めて、観測衛星の利用な
どによって短期的にはかなり精度の高い予報を出すことができるようになって
います。

 これに対し心理学のほうは、気象学における曇、雨、嵐等にあたる精神病
についてもその区分が十分になされていない状態であり、区分不十分のまま
現象発生のメカニズムの解明や現象を引き起こす諸要素の観測(観察)を試
みるという危なっかしい状況です。

 心理学は、未熟な気象学と言えるかもしれません。

 そういえば、気象学も心理学も、それらの学問の未発達な状況に応じて占い
やおまじないが登場してくるところも共通しています。
 今世紀中に人間の心理を対象とする「新気象学」が、気象予報をするまでに
発展するでしょうか。