2003年6月2日
昨日、東京競馬場で13万人余の観衆を集めて「ダービー」が
行われました。
そのレース直前の記念イベントではソプラノ歌手鈴木慶江さん
によって「君が代」が歌われました。
いつのころからか、GⅠレース(グレードⅠ、すなわち、中央競
馬で最もグレードの高いレース。現在年間23。)の出走直前の
ファンファーレ演奏時に、そのファンファーレに合わせて観衆が
手拍子をする習慣が出来上がっています。(そのファンファーレ、
10万人規模の一斉の手拍子、直後の大観衆の歓声はものすご
い迫力です。)
さて、その習慣のゆえでしょう。昨日はソプラノの「君が代」が始
まると、それに合わせて観衆の中から手拍子が湧き起こりました。
多少のためらいか、「君が代」に手拍子が合わせにくいのか、フ
ァンファーレの時の手拍子ほど勢いはありませんでしたが、それ
でも手拍子は最後まで続けられました。
手拍子が伴う「君が代」をはじめて聞きました。
一時代前にはなかなか考えにくい現象です。
まあ、このことは好ましいことだとは思いますが、大衆の中での
「厳粛さ」の成立の困難という今日的傾向が、ついに「君が代」に
及んだものと考えられます。
なお、ソプラノ歌手にとっても歌唱中に手拍子を合わされたのは
はじめての経験だったのではないでしょうか。