2004年7月7日
「八幡大菩薩」の「八幡」というのは、その起源について諸説あるもの
の、神道の神です。「菩薩」というのは、仏陀を目指して修行する者を意
味するサンスクリッド語「bodhisattava」の音を写した仏教用語です。
この神道と仏教の合成語は、奈良時代から平安時代にかけての神道
と仏教の合体、「神仏習合」による言葉であり、事実上は神道の仏教へ
の従属の結果生まれた言葉です。
その立場の逆転、すなわち神道の仏教に対する優位は、長い経過を
経て明治維新の「廃仏毀釈」によって実現します。
類似の合成は江戸時代の隠れキリシタンの「マリア観音」という言葉に
見られますが、言うまでもなくこの場合はキリスト教の仏教への従属では
なく、キリスト教信仰を世間の目から隠すための手段でした。