2010年11月1日(出来たて)

 ある若者から10年先程度を示す社会の動きをリストアップするように求められ、彼に数項目を示しました。
 彼の反応は「明るい要素がないですね」でした。
 こちらとしては自然体でのリストアップでしたので、その指摘にハッとして、直ちに反応できませんでした。

 一呼吸おいて考えてみれば、確かに低成長下の格差社会化の進行というのがこれからの日本社会の基調ですから、経済的な意味においてはこれからの日本に明るい要素は期待できません。     
 しかし、それであるがゆえに、表面的な経済的繁栄を断念するがゆえに、精神的な、落ち着いた、深い、アダルトな価値のあるものをこれからの日本社会は見つけ出していくことができるようになるのではないか、という期待が生まれます。

 これらに「明るい要素」という表現はふさわしくありませんが、低成長経済が社会にとって必ずしも否定的要因とは言えないことを彼に伝えなくてはなりません。