2005年4月4日

 旅先での眠られぬ夜、NHK「ラジオ深夜便・こころの時代」で久し
ぶりに「無我」とか「無心」という言葉に出会いました。
 放送されていたのは、鈴木大拙の晩年の秘書役を勤めた岡村美
穂子さんの「みごとな人々」という話でした。(岡村は旧姓、現在は別
宮美穂子さん)

 彼女は10代の時にアメリカで鈴木大拙に出会い、ただちに大拙の
秘書役の世界に飛び込み、大拙の死まで秘書役を続けていたという
人です。(現在、大谷大学講師)

 話によれば、彼女は若い時から大拙に従って行くことによって柳宗
悦、浜田庄司、バーナード・リーチ、河井寛次郎、棟方志功といった
いわゆる民芸派の人々と接する機会があり、彼女は当時の自分は
生意気だったと言っていましたが、彼らに自分の疑問を直接投げか
けるなどしてそれぞれの人々から強い印象を受けてきたようです。
 いずれも西洋的自我というものを東洋的思想で乗り越えようとして
いた人々でした。