2006年4月17日 

 共同通信が最近まとめた道州制についての全国知事会調査によれば、47都道府県のうち道州制を必要とするもの27、どちらとも言えないとするもの19、必要ないとするもの1という結果だそうです。

 また、道州制への消極意見の理由は中央政府からの権限委譲、財源委譲が十分になされないのではないかという疑いであるようです。

 この強い反対が見られないアンケート結果、また中央の権限委譲、財政委譲の徹底を求めるというスタンスの報道振りからすると、どうも道州制の真の狙いがとらえられていないという感じが否めません。

 道州制による広域行政によって行政コストの節約は期待できるでしょう。

 中央政府からの権限委譲によって地域の実情に応じた行政も少しは期待できるでしょう。

 しかし、中央政府からの財源委譲によって自立していける道州はいったいどことどこなのでしょうか?

 

 現在は地方自治体の間の財政力の格差を中央政府が調整する方策‥‥わかりやすく言えば富裕な都市部で獲得された税金を地方に回すという方策‥‥がとられています。

 道州制では、この格差是正策がどのようになるのか不明確です。

 話の筋道としては、広域化によって実力をつけられるはずのそれぞれの道州は格差是正策に頼らずに自立できるはずであり、自立すべきであるという方向が強化されることになると思われます。

 

中央政府からの財源委譲があったとしても他の道州に存在する財源を自分のところに持ってくるわけにはいかないのであり、他の道州に依存するわけにはいかないのです。

北海道、東北、四国、九州はやっていけるのでしょうか?

 道州制の真の狙いが、都市部がもはや地方を抱えていくつもりはないのだという地方切捨ての企みであることが何故強く指摘されないのでしょうか?