2006年10月28日 


 人間はもともと群れを作る動物であり、それゆえ社会性という性格が本来的に備わっている動物のようです。社会性とは、言葉を代えれば他者への関心、他者への配慮ということで、群れを作る他の動物(例えばサル、ウマなど)にも見られる性格です。

 さて、人間が文明の発展によって自然を後退させた結果として、現代人はこの性格が少々強くなりすぎ、あたかもこの宇宙は人間界のみであるかのごとく認識するようになってしまい、現代人は人間への関心、人間への配慮ばかりで生きるようになってしまっているのではないでしょうか。

 その結果、人間界の外に広大な世界があり、その広大な世界で人間などを問題にもしない様々なことが起きているということを見失っているような気がします。現代人は人間界で起きていることをあまりにも絶対視し、人間界で起きていることを相対化することができなくなっているような気がします。

 現在、国立科学博物館で開催されている在野の天才科学者南方熊楠(みなかたくまぐす:1867~1941)の展覧会、「南方熊楠~森羅万象の探求者」を見ての感想です。



(注) 決して「自然にやさしく」などという人間中心の、高慢ちきの、恥知らずの主張をするものではありません。