2007年8月18日

 ノット(knot)が船の速度を測る単位で、ネクタイのノットと同じく結び目という意味であるのはよく知られているところです。すなわち、船の速度を測るために船からロープを流し、一定時間に出ていくロープの長さで速度を測る、ロープの長さはロープにつけた結び目の数で測るということから、ノットが船の速度を測る単位とされたのでした。因みに、1ノットは時速1852メートルであり、この測定法が考案されたのはヨーロッパの大航海時代の15、16世紀のようです。

 さて、航海日誌のことを英語ではlog・bookといいます。logとは丸太、log・cabinは丸太小屋です。なぜ,海のことに丸太が登場するのでしょうか?

 ノットに関係があるのです。

 ロープの先端にある程度の抵抗のある浮きをつけなければ、ロープはスムースに流れていきません。その浮きとして使われたのがlogなのです。そして船が方向を変えるごとに速度測定のためにlogが海に投げ込まれました。これによって航海日誌はlog・bookと呼ばれるようになったのです。

(この情報は元東大全共闘議長、現駿台予備校勤務山本義隆氏「16世紀文化革命」(みすず書房)によるものです。)