2008年3月5日
「平林たい子毒婦小説集」の「花井お梅」を読んでいました。花井お梅は、明治、大正期の柳橋、浜町あたりの芸者で、箱屋(芸者の三味線を箱に入れて運ぶ芸者の付き人)の峯吉を刺し殺した殺人犯です。お梅の姿を一目見ようと裁判の傍聴席が満員になったとされる美人で、殺人に至ることの顛末は「明治一代女」などの題名で映画、演劇に取り上げられています。
さて、その殺人現場(峯吉が倒れていた場所)の所番地が本に書かれていました。「浜町2丁目12番地」。瞬間、この所番地は見たことがあると頭にひらめきました。父親の死去に伴い調べていた過去の戸籍のうちに似た所番地があったのです。引っ越しでたびたび替わっているのですが、祖父の本籍地だったところのひとつが「浜町2丁目11番地」でした。有名な「明治一代女」の殺人現場の隣番地が我が家のルーツだったのです。
なお、本には峯吉が倒れていたのは薬問屋の閉じた店先と書かれていましたが、「浜町2丁目12番地」には現在「エスエス製薬」の本社ビルがあります。