2008年6月14日

 植木に水をやる時などに使う「じょうろ」、これは「如雨露」と書きますね。一般大衆が日常使う道具に対してこの優雅の名称はただごとではない、と感じて調べてみました。やんごとなき世界での命名ということではなく、ポルトガル語で水の噴出を意味する「jorro」、あるいは水差しを意味する「jarra」が語源とのことでした。そうだとすれば、英語の「jar」だということです。17世紀に登場したそうですが、そのもの自体、それを描いた絵画、材料、形状などを知ることはできませんでした。当時、「上露」「上漏」「如露」という表わし方もあったそうです。それにしても「如雨露」とは当て字の最高傑作ということができるでしょう。

 以下はまったく個人的記憶ですが、小学校5~6年の時の同級生にN君がいました。彼の漢字のテストの答案が傑作でした。漢字の「書き」の問題の答に空欄はないのですが、当て字ばかりなのです。正解よりもむずかしい漢字を当てていて感心したこともあります。当時仕入れたばかりの知識で僕は彼を「万葉仮名」と呼んでいたこともありました。ある時、自習の時間、国語のテストの採点をしていた女の先生が突然吹き出しました。「酒屋」の読みを「のみや」とした答案があったのです。N君でした。

 いま、N君の文字生活はどうなっているのでしょうか?誰かをいまも楽しませているでしょうか?