2010年3月6日(出来たて)
知っている人間にとって政治家の名前は当たり前の常識と考えられるものです。しかし、政治の世界にほとんど関心がない人にその当たり前の常識は通用しません。
古い話ですが、かつて愛知揆一(1907~1973)という実力派の政治家がいました。「佐藤派五奉行」のひとり、沖縄返還の時の外務大臣、第1次オイルショックの時の大蔵大臣で、オイルショック対策の激務で現職閣僚として死を迎えています。
その愛知揆一の生前、ばりばりの活躍時、愛知揆一が関係する企業の就職試験で「愛知揆一について述べよ」という問題が出ました。ある学生の答、「江戸時代に愛知地方で起きた農民一揆」!!
中村梅吉(1901~1984)、東京を地盤とする戦前からの政治家で、中曽根派の幹部、法務、建設、文部などの大臣を歴任し、衆院議長も務めた、やはり実力派の政治家です。その文部大臣時代、中学生か高校生を対象にした雑誌で文部大臣の名前が知られているかという関心で出された「中村梅吉とは誰か」という質問に対するある学生の答え、「赤坂の有名な芸者」!!
2例とも間違ってはいますが、言語感覚としてはいいところを突いています。当時、感心しました。