2009年11月26日
新自由主義のもたらした罪作りな概念に「自己責任」があります。
個人が見舞われるあらゆる運不運、幸不幸はその個人の選択の結果である。
従って、個人の不運、不幸はその個人が責任を負うほかない。
要するに不運、不幸を他人のせいにしないで、甘受せよという考え方です。
そして、「勝ち組」「負け組」が出て、格差社会と呼ばれるようになりました。
「自己責任」論は、「負け組」と目される人々に自虐の精神を植え付けます。
「自己責任」論は、「勝ち組」と目される人々にノーブレス・オウブリージ(noblesse oblige)の精神が生まれるのを妨げます。
不健全な社会です。
「自己責任」論が克服されれば、「負け組」と目される人たちが自虐の精神から解放されます。
「勝ち組」と目される人々にノーブレス・オウブリージの精神が育まれます。
社会は再び健全なベクトルを獲得します。
経済の先行きは暗く、政治の世界は混乱しています。
しかし、世の中がそのベクトルを確保すれば、少々生活が苦しくなっても、明るく暮らせます。