ハワイはうーんと昔、

仕事でオアフ島に一度訪れたことがあったけれども、
そのときは、それほどまでに惹かれる何かに出合うことができなかった。
あたまが仕事モードだったからかな。

滞在期間中、ひたすら必死な毎日だった。

 

それでも、

空が広くて、

海が青くて、

緑に溢れていた。

そんな記憶はある。

 

それ以来、ずっとハワイにご縁がなくて、
それなのに、あるとき、
チェンジというニックネームの、年上のともだちが、
ハワイ島の魅力をたくさん語ってくれて、
なんだか少しずつハワイ島に惹かれていって、
時期を同じくして、別のともだちがハワイ島を訪れたりと、
ハワイ島の波がわたしのところにもやってきた。

 

それで、チェンジのおともだちが、
ハワイ島の自宅でロミロミのセラピストをしているから、
ぜひ行ってみて!と紹介してくれて、
ロミロミってなんぞや?だったけれども、
マッサージの一種だろうことはわかったから、

行ってみることにした。

 

新婚旅行はハワイです。
なんて!いま思えばなんてベタなんだ….
ベタ過ぎて、いまさらになんだか恥ずかしい気持ちに一瞬なったけれども、
でも、ハワイ島を訪れたその旅は、素晴らしいものになった。

 

チェンジのおともだちは、緑あふれる広いお庭がある木のお家に住んでいて、
開け放たれた窓からは、優しい風が吹いてきた。

初めてのロミロミは、先入観も何もなかったから、

ただただ身を預けた。
心地よく、気持ちのよいもので、いつも以上にぼーっとした意識になった。

 

そして。


ロミロミを終えた帰り際、スーパーに寄っていつも飲んでいた炭酸飲料を買った。
お店を出て、外のベンチに座って、缶をプシュッと開けて、口に入れた。


!!!


なんと、そのまま吐き出すしかなかった。


なんだ??


もう一度、口に含んだ。
でも、吐き出すしかなかった。


飲み込めなかった。

味覚が変わってしまっていた。
受け付けなくなっていた。

 

思い当たるのは、さっき受けたロミロミ。
わたしの中の何かが変わってしまったのだ、と思った。
なんだかよくわからないけれども、ロミロミが変えた。


ロミロミは、
施術者が媒介(パイプ)となって、

大自然の力を流すものだと知った。


「祈り」「呼吸」「生命のちから」を何より大切にしていて、
「魂と心と身体」の三位一体のバランスを整えるものだと。

 

生命力がひたすらに溢れるその島で、
見るもの、触れるもの、体感するものすべてに

「生命力」と書かれているような、
そんな強いエネルギーに溢れていて、
その強いエネルギー、生命力が

わたしのからだを通り抜けたら、
変わらないわけがなかったのかもしれない。

 

あまりに強烈な体験だった。
帰国後、みんなに「ハワイ島どうだった?」と

尋ねられたわたしは、
ひたすら「生命力のかたまりだった!」と答えた。
それ以上にぴったりで、すべてを包含する言葉が

みつからなかった。

 

あれから10年以上。

また再訪したいけれど、

まだ再訪できていない。

でも、記憶の中では、いつでもすぐそこ。

 

 

 

 

 

 

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