和磨の住む街へ
美鈴を乗せた車は和磨の住む街へと向かっている。
期待と不安で…不安の方が強い。
先ほど別れた仲間を想うとまた涙が出てきた。
寅さんに挨拶したかったな。
しばらく走るとお日様が現れて荷台に暖かさと心地よい風を届けてくれた
仲間が持たせてくれたお魚さんを食べてお腹を満たした。
ガガガ!エンジン音。
車が停車した?
いつの間にか寝てしまったようだ。
むくっと立ち上がり辺りを見回す。
到着したのだろうか?
エンジン音はしているからまだ動き出すかな。
一度来ただけなので今見る景色が和磨の住む街かどうかわからない。
あ、匂いはどうだろう?
いや、ガソリンの匂いに負けている
降りてみようか
と思った瞬間。エンジン音が止まった。
降りてみよう!
クンクン クンクン…
車から少しずつ離れながら嗅いでみる
あ、なんか懐かしい匂いがする。
歩いて行くと「たこ焼き屋さん」だ。
たこ焼きの匂いに釣られたかな笑
あ、いや?
この店舗に和磨と来たかもしれない。
店舗は角地にある。
そこから右へ移動した
あ!牛肉の吉木屋が見えた。
和磨と朝食したところかもしれない。
ここだ!きっとここだ!
臭いをたどりながらさらに歩き進めた