人間と猫の狭間で(前半)
コンビニの駐車場で入ってくるトラックを見つめていた。
昼を過ぎた頃だろうか
少し肌寒い
日向を探してはコンビニの敷地内を移動した
今日はこないだろうか
あ!あのトラック
美鈴は友達の会社と同じトラックが駐車しているのを見つけた。
このコンビニの駐車場はトラックがかなり駐車できるので入ってきたのが気がつかなかったのかも
少し寝ちゃったし。
トラック内は
見えない
仮眠中かな?
コンビニ内かな?
美鈴はコンビニの中を覗いてみた
グー…
お腹が空いた
覗き過ぎてバランス崩して転けそうなった
その時ドアのセンサーに感知したのか
ドアが開いた
店員「いらっゃいませ」
美鈴(えっ?)
後ろを見たが誰もいない
私に言ったの?
美鈴は恐る恐る店内に入った。
猫だぞ
店内を歩いているのに
誰も気がつかないのか
鮭のおにぎりだー
おにぎりを見上げた
その時、美鈴の目の前に大きな手が現れて
鮭のおにぎりを取った
あ…思わず声が出てしまう
おにぎりを取ったのは男性だった
男性は私に気づいたようだ。
何か言っている?
口が動いたように見えたが気のせいかな
男性がレジに行くのを見ながら
美鈴は店を出た
おーい!
後ろで声がした
振り返ると
先ほどの男性だ
男性は笑顔で寄ってきて
美鈴を抱き上げた
わ、わっ
男性は美鈴を抱いてコンビニの横に移動した
美鈴を下ろすと
先ほど買った鮭のおにぎりを食べやすく分けて
美鈴の前に置いた。
男性「お腹空いたよなー」
美鈴はポカンと男性を見てたが
(ダメだー!お腹空いたー)
美鈴はおにぎりを夢中で食べた
ふぅ。美味しかった
食べ終わり顔を上げた
目の前にいたはずの男性はいない
美鈴は男性を探したが見つからなかった
(車で行っちゃったかな)
なんとも不思議な出来事。
いや、美鈴が猫になったこと自体不思議な出来事だ
美鈴は男性に手を合わせた
友達の会社のトラックはいつ出発するだろう
あのトラックに乗りたい…
第14章後半に続く
