先日のテレビ「マツコの知らない世界」で紹介されていた絵本の続きです。
5冊目は「おいしいおと」
作:三宮 麻由子
絵:ふくしまあさえ
出版社:福音館書店
今日のごはんは何かな?
春巻き、ウィンナ、わかめのみそ汁、レタスにプチトマト。
春巻きを食べると、どんな音がするかな?ウィンナやレタスはどうかな?
ある日の食卓の、おいしい音が勢ぞろい。
春巻きを食べる音は「カコッ ホッ カル カル カル」
一風変わっているけれど、とても豊かな表現をされているのは、作者の三宮さんが全盲だから。
ご自分が食べて耳で感じた咀嚼(そしゃく)音を、言葉にしたもの。
こういう背景を聞くと、絵本を読むときに気持ちがこもりますね。
毎日何気なく食べている食事も、時には五感でゆっくり味わってみることも必要だな~と感じました。
6冊目の「オニのサラリーマン」
文:富安 陽子
絵:大島 妙子
出版社:福音館書店
赤鬼のオニガワラ・ケン、地獄カンパニーの平社員。今日もびしっとスーツで決め、愛妻弁当を携え満員電車で出勤です。
閻魔大王の指示で血の池地獄の見張りにつきました。
お昼ご飯の後につい居眠りをしてしまい、目が覚めると大変なことに!
血の池地獄に極楽からぶらさがっている“糸”につかまり、亡者たちが大量に逃げようとしているではありませんか!
地獄と言えどもサラリーマンは大変なのです。
最後は赤ちょうちんの店でお酒を飲んでうさはらし。
マツコ:「こんな内容、本当に子ども向けなの~!?」
この絵本では、オニの姿をしていますが、社会の厳しさがリアルに描かれています。
でも関西弁であることによって、厳しくともユーモラスで柔らかく聞こえる効果があるのだとか。
大島さんの絵は地獄の様子が隅々まで描きこまれていて、絵を見るだけでも楽しい!
節分が近いので、この時期の読み聞かせにはぴったりかもしれませんね。
そして、この絵本には続編「オニのサラリーマン しゅっちょうはつらいよ」もあります。
サラリーマンのオニガワラさんが出雲大社に出張となって、案内や警備に大奮闘する内容です。
こちらもサラリーマンあるあるで、楽しめる1冊かも。
7冊目の「パンツのはきかた」
作:岸田 今日子
絵:佐野 洋子
出版社:福音館書店
女優・声優として活躍された故・岸田今日子さんが作った文に、友人の佐野洋子さんが絵を描かれた作品です。
岸田さんの娘さんが小さい頃、オムツからパンツに移行するときに、実際に岸田さんが口ずさんでいた歌が元になっていて、楽譜もついています。
ピンクでまんまるのこぶたちゃんが頑張って一人でパンツをはく、という設定が子どもの共感を呼ぶんでしょうね。
一生懸命にはいたのに裏返し、というオチもついています。
最近は、このような歌絵本も話題になっているそうです。
歌が苦手な人でも絵本なら入りやすいし、歌わなくとも自分なりの節をつければ、子どもは楽しんでくれるのです。
最後に紹介されたのは「あなたがとってもかわいい」
作・絵:みやにし たつや
出版社:金の星社
おかあさんとして、いつまでもずっとかわらない気持ち。
笑っている顔も、怒った顔も。いろんな顔、いろんな表情のどれもがかわいいのです。
いつでもどんなときもかわいかったあなたは、今はこんなに大きくなったけど、前とちっともかわらず、あなたがとってもかわいいのです。
小さい頃はあんなにかわいかったのに、今ではまったくもう・・・なんて気持ちになったら、
「今はこんなに大きくなったけど、前とちっともかわらず、あなたがとってもかわいい」
この一言に凝縮されている気がします。
内田さんは実は子どもが苦手だったそうで、お子さんと何とか上手くコミュニケーションをとろうとして絵本を活用しはじめました。
そしてどっぷり絵本の魅力にハマります。
「あなたがとってもかわいい」なんて、小さい子どもになら言えても、大きくなった我が子にはなかなか言えません。
でも、絵本がそれを伝えてくれる、と。
まさしくその通りだと思います。
今、絵本ブームと言われていますが、この番組がその魅力をたっぷり見せてくれた気がして、とても嬉しかったですね。