胎芽


ヒトは、母胎内に生まれ、成人とは異なる
ペンフィールドのホムンクルス(体性感覚)を出発点に生まれてきている。

胎児とは、ヒトの赤ん坊が母親の胎内にいる間の呼称だが、骨格が成長してヒトの形態をとる前には、父親の精子を受容した母親の受精卵が、子宮内膜に着床し始めた時から胎児になるまでの間に、胎芽と呼ばれる胚の時期がある。

この胎芽の時期の外形はエルンスト·ヘッケルの脊椎動物の胚の比較を表した図でも分かるように、ヒトの生命史における進化の課程を辿っている。

妊娠は胎芽(子宮内膜への受精卵の着床)から始まる。

1日1㎜、妊娠1週間で7㎜の存在に成長する胎芽に体性感覚(たいせいかんかく somatic sensation;somesthesia ※触覚,圧覚,温覚,冷覚,痛覚,などの皮膚感覚と,手足の運動や位置を伝える深部感覚。
この2つの感覚は,感覚伝導路や大脳皮質における感覚野が近く,頻繁に連動するため総称される)を認めるなら、人は、母胎(産道もしくは開腹によって羊水の中)から、外気に触れるまでに、あらゆる生命の輪廻の流れを何順も巡るようにして生まれくる。

大気と海洋、そして大地による循環、撹拌、濾過は、あらゆる生命の芽吹きに、等しく、訪れている。

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