赤ちゃんのうんちと黄疸の関係:その①
赤ちゃんの皮膚がビリルビンという物質で黄色くなる事を
黄疸 といいますが、
ほとんどの新生児に当たり前に起こります。
大人に起これば黄疸は病気ですが、
新生児の場合はその値が高くなければ、問題になりません。
ですが高い値になったら、放っておくと問題が出てきますが、
治療法があり、状態が悪くなる前にビリルビンの値を下げることができます。
黄疸を放っておくと何が問題になるかというと、
皮膚だけじゃなく、赤ちゃんの脳にまでビリルビンがしみ込んで
脳に悪影響を及ぼし、けいれんや将来的に後遺症を残すことがあるのです。
昔と違って現在は、光線治療や交換輸血などの治療できるので、
そのような後遺症は起こさなくなりました。
黄疸の治療の基本は体内に異常に溜まってしまったビリルビンを体外に排出することです。
どうやって排出させるか、
うんちに乗っかって体外に出て行きます。
つまり、うんちはビリルビンというゴミを外に出すゴミ運搬車なのです。
黄疸治療の代表格である光線治療が、
どう作用して黄疸が良くなるかというと、
身体に無害な医療的紫外線を赤ちゃんに浴びせることで、
水に溶けにくい形になっているビリルビンを、
水溶性へ変換させることだけが光線治療の役目です。
水溶性のビリルビンはうんちに溶けやすくなるのです。
ゴミがトラックに乗せやすい形に加工してくれるのが光線治療なのです。
ですので、
光線治療のみではダメ
なのです。
うんちもたくさん出さねばならない、つまりうんちをしっかり出すために、
母乳やミルクをきちんとした量を飲ませなければいけないという事です。
せっかく光線治療を24時間受けても、飲む量が少なく、うんちがたくさん出ないと、
黄疸はよくならず、値が下がらないとそのまま光線療法続行ということにもなりかねません。
光線治療と「しっかり飲ませる」はセットなのです。
なので、もしおっぱいだけで足りない場合はミルクも追加することになります。
直母だけ、あるいは搾乳だけで十分量の哺乳量を確保できる場合はミルクはいりません。
これは、赤ちゃんの黄疸具合を簡易的に測るミノルタという器械です。
一日2回これで赤ちゃんの黄色くなり具合をチェックしています。
このミノルタでの値が引っ掛かった子が採血検査の対象となり、
採血検査で引っ掛かった子が治療の対象となるのです。