続白豚刑事の告白  杏平太

無色透明の手続か
雪の上に赤い血を点々と
よろめき砕け散る足跡とともに
残して行った手負いの鹿の手続か
その両面で捜査を続けよ!
捜査一課長の声が
誰もいない古めかしい石の建物の中でこだまする・・・・
集めた雪の解けた水の中から
不明の化学物質を検出しましょうか?
それとも日比谷界隈を聞き込みしてみましょうか?
あのあたりなら土地勘ありますよ!
君そんなこと 命がいくつあったって足りないよ!
それに犯人を割り出したって
あの鹿は浮かばれないよ!
死体なき殺鹿事件の真相を解明しようなんて
そんなこと狂気だよ!
悪いこと言わないから 止めておきたまえ!
コップ酒あおりながらの先輩刑事の忠告・・・・
あの事件が迷宮入りしようとしている今
定年を迎えようとしている私の何か吹っ切れない気持・・・・
穴を掘って
王様の耳はロバの耳
王様の耳はロバの耳
と何度も何度も叫びたい気持!
誰か分かってくれる?
誰かこの事件推理できる人いない?

近藤摩耶さんが「続白豚刑事の告白」を選んで下さり、有難く思っています。ちなみに「続白豚刑事の告白」の本歌は、詩集「新しき日を求めて」にあります。一つは、P.54の「雪の日」、もう一つは、もちろんP.188の「白豚刑事の告白」。
今回の作品は、推理小説で言えば、起承転結の「起」に当たる部分、承転結を続ければ、詩で小説のプロットを書くことになります!ちょっと、創作意欲が湧きました。
ところで、近藤摩耶さんからご返送いただいた新自由詩空間-ミューズの広場-創刊号の表紙に送り状が挟み込まれていました。
一緒に返送されてしまったのですね!

銀河詩手帖199号のお礼だったのですね!
私が銀河詩手帖に参加する切っ掛けになったやりとりかと思います。
懐かしいですね!もう17年も経つのですね!
私は、銀河詩手帖200号から参加しています。