「猫は、うれしかったことしか覚えていない」 | ちび子

ちび子

本好き猫 ちび子

母ちゃんは猫飼いである。何十年、何匹も飼っている。なんだったら母ちゃんが生まれた時から猫と一緒に暮らしてきた。だのにだ。それでも猫を飼い始めて間がないエッセイストの本を読もうとする。こりゃもう病気の域である。     

   

「猫は、うれしかったことしか覚えていない」石黒由紀子著である。暫く前にNHKの猫飼いを紹介するネコメンタリーという番組で石黒謙吾が出ていた。石黒由美子はその妻である。飼い猫のコウハイがこの本のメインであり、石黒夫妻がコウハイを飼い始めてすったもんだする感じがありありと書かれている(コウハイを飼い始めたのが十数年前と云うから、勿論今はあたふたしていないだろう)。

吃驚するエピソードが幾つかあった(得体の知れないごろごろ音が猫が喉を鳴らす音だと気付き驚いたとか)。ショートのエピソードにはそれぞれ「猫は、うれしかったことしか覚えていない」とか「猫は、ひるまない」「猫は、誰かと比べない」とかタイトルが付いているが、これはコウハイと著者が知る猫のエピソードであり、全部の猫に当てはまる事ではない。猫ってこういう生き物だよねと思っていると、簡単に裏切る行動をフイッと取るのが猫と云う生き物なのだ。猫は嫌な事も忘れないし、ビビるし、がっつり嫉妬もするのである。

コロナでペットの保有数が格段に増え、コロナ明けで譲渡に出されるペットが増加したと聞いた。あんまり猫とはこういうものだと思い込んで飼い始めると、えらい目に遭うぞ。この本の様に面白いのとかほっこりするエピソードばかりじゃない。平気で行く先々に食ったもん吐き戻すし、お尻に付いたう○こを絨毯に擦りつけて拭くぞ。多頭飼いだと順番に病気になるぞ。病気になっても猫は人間に気付かれないように頑張って隠すぞ。

それでも あはは と笑える奴には、猫飼いになる事を俺は強く勧める。

猫って良いぞぉ~