表紙の猫 | ちび子

ちび子

本好き猫 ちび子

表紙に猫が描かれてあると、ついつい買ってきてしまうのは仕方がない。母ちゃんは単純な猫好きの本好きである。読み終わってから気付いたが、これは「葉崎市シリーズ」としてもう何冊も出ているうちの1冊だった。

    

「猫島ハウスの騒動」若竹七海著である。舞台は神奈川の、実際には江の島がある辺りにあるという猫島である。がっつり架空の島だ。あちこちに猫が居る島と云う設定に、ニヤニヤしながら読み進める。うちには俺を含めて猫が4匹居るから もう充分と云う感じはするが、あっちにもこっちにも猫が居る島も面白かろう。その内に事件が起こって、となるのは長編推理小説と謳ってあるのだから当然だ。有能なんだか無能なんだかよく判らない警察の人間と、島の住人が抱える面倒事(?)がいろいろ絡んで物事が動いていき、登場人物達には重要で真剣なんだが、読んでるこっちは随分軽い事を、と思ってしまった。そう、文体には重い感じがしないのだ。

幾つも伏線が落ちていて、おう、あれも伏線だったか! と思うものもあり、つらっと読むにはとても面白い。別段猫好きでなくとも良いんじゃないかと思うぞ。

架空の島だ。だから良いじゃないかと思うんだが、物理母ちゃんは「トンボロ現象が起こる島の近海で、何で深海魚が捕れるんだ」とか、「台風8号なんて若い番号のは神奈川に上陸する確率はうんと低い」とかぶつぶつ云っているが、そういう文句を云うのはなかなか気に入ったという証拠でもある。

ま、いいんじゃないか?