フルーツを食べる南国ガールズ | <祈りの趣味を楽しみましょうブログ>

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ミニカーの紹介、自作イラストの作成を中心に、書きたいことを書くブログです。

温玉の人々の暮らし








温玉鉄道の平川駅を出た記者は、
海を撮影するために
砂浜の方面に向かって歩いていた。

すると……、

「お兄さんだぁれ?」
と、いう声が聴こえた。
振り返ると木陰に3人の幼い女の子たち。
金色のイヤリングとネックレスを
していることから、
この島の先住民族の末裔だと
思われる。
……お兄さんは、テレビの記者だよ。
温玉県の取材をしてるんだ……
「きしゃ!」
「きちゃ!」
……君たちはこんなところで何をしているの?……
「のぶお姉ちゃんを待ってるの」

すると、
市場の方から
「おーい、みんな〜!
フルーツ買ってきたよ〜!」
と、声がする。
声の方に目をやると、
そこにいたのは
オレンジ色のフルーツが山盛りの
大きなカゴを頭にのせた一人の少女。
その格好は、
温玉島中心部の山に暮らす
マウンテン・レインボーと呼ばれる
人々のものだ。
顔の赤いフェイスペイントも特徴的だが、
そういえば幼い女の子の
の一人もフェイスペイントをしていた。
この子もマウンテン・レインボーか。

「やっと来た!」
「わーい」
女の子たちは大いに喜んでいる。
このフルーツは
マンゴーの亜種みたいなもので、
温玉県の人々の
大好物だという。




女の子たちは、
のぶお姉ちゃんと呼ばれる少女から
フルーツを受け取るとその場に座り、
皮を剥き始める。
「お兄さんも一つどうですか?」
……ありがとう……
手にとって見ると、見た目は完全に
マンゴーそのものだが、
一口食べると味はオレンジという
不思議なものだ。
「お兄さん、美味しい?」
……ああ、とても……
「それは良かったです」
少女の笑顔が眩しい。


女の子たちも
美味しそうに頬張っている。
「おいしい!」
「おいちい!」


午後のひととき。
幸せな空気が流れていた。