温玉の人々の暮らし
温玉鉄道の平川駅を出た記者は、
海を撮影するために
砂浜の方面に向かって歩いていた。
すると……、

「お兄さんだぁれ?」
と、いう声が聴こえた。
振り返ると木陰に3人の幼い女の子たち。
金色のイヤリングとネックレスを
していることから、
この島の先住民族の末裔だと
思われる。
……お兄さんは、テレビの記者だよ。
温玉県の取材をしてるんだ……
「きしゃ!」
「きちゃ!」
……君たちはこんなところで何をしているの?……
「のぶお姉ちゃんを待ってるの」
すると、
市場の方から
「おーい、みんな〜!
フルーツ買ってきたよ〜!」
と、声がする。
声の方に目をやると、
そこにいたのは
オレンジ色のフルーツが山盛りの
大きなカゴを頭にのせた一人の少女。
その格好は、
温玉島中心部の山に暮らす
マウンテン・レインボーと呼ばれる
人々のものだ。
顔の赤いフェイスペイントも特徴的だが、
そういえば幼い女の子の
の一人もフェイスペイントをしていた。
この子もマウンテン・レインボーか。
「やっと来た!」
「わーい」
女の子たちは大いに喜んでいる。
このフルーツは
マンゴーの亜種みたいなもので、
温玉県の人々の
大好物だという。

