第2回は僕の大好きな女性アーティストの一人、森田童子の『マザー・スカイ』について書いていきたいと思います。
主に活動していた期間は70年初期~83年(この年に活動を引退されています)ですが亡くなった現在でも熱狂的なファンがいるアーティストです。
森田童子の楽曲は現時点ではサブスクでは公開されていないんですね。僕も彼女の音源はレコードでしか持っていないので、聞くときは毎回針を落として聞いてます。僕の中で彼女の曲はひと手間かけて聴くくらいの距離感が大切なんです。多分サブスクが解禁されてもレコード以外で聴くことはないと思います。これはファンのひとたちみんな同じこと思ってるんじゃないかな...。それだけ繊細で特別なアーティストです。
僕がこのアルバムでお気に入りの曲は「僕たちの失敗」です。父から聞いた話ですが93年放送のドラマ「高校教師」の主題歌にこの曲が起用されたところ、再びヒットして当時廃盤となっていた『マザー・スカイ』含むその他の彼女の作品も再販されたようです。この時には彼女はすでに活動を引退していたので復帰を望む声もあったようですが彼女にその意思はなく楽曲だけがヒットしていったそう。
僕浪人していたんですけど、つらいことがあるとすぐこのアルバム聞いてました。歌詞の内容だけ切り取ると、おいおいそんな状況でこのアルバム聞いて大丈夫なのかよって思うかもしれないんですが僕は逆で、これ聴くと毎回気持ちが楽になってむしろ前向きな考えになってました。まあ前向きになったところで結局勉強はしなかったですが笑。
「地下のジャズ喫茶 変われないぼくたちがいた
悪い夢のように 時がなぜてゆく」
ここの「変われない僕たち」は地下のジャズ喫茶でモラトリアムを過ごしている「僕たち」を表していて、それを森田童子は「時がなぜる」「失敗」としたのでしょうね。
モラトリアムに陥ってると誰でも失敗の時間を過ごしているんだと思ってしまいます。まあそうだよね、そもそもその時では今過ごしてる時間がモラトリアムの一部だって気づかないですよね。ここなんですよ、僕が浪人してた時に「僕たちの失敗」を聴いてポジティブになってた理由。今はあえてモラトリアムを選択してその時間を過ごしているんだ、だから今が過ぎれば自分もまともな人間になれるんだ、って無理矢理に暗示していたんです。(もっとも、今も変わらずまともじゃないですが。)都合のいいところだけ俯瞰してどこまで逃げの思考なんだいい加減にしろって感じですけど生きることが最優先ですからね笑。
ほら、ドラマでもあったでしょ? 逃げるは恥だがうんたらかんたらって...。
余談ですがこの間、池田エライザちゃんが音楽番組で「僕たちの失敗」をカバーしていたんですけど本当に素敵でした。
彼女もこの曲にポジティブなイメージを見出していてなんだかすごく胸が熱くなりました。
第2回終わり。