拝啓 月と太陽がよく比較されるが、空に輝いている時点でマシだろうと恫喝したくなる季節。

やあやあ。少々、間が空いてしまったかな?君は元気にしていたかい。私はとことん元気だ、、、と胸がはち切れんばかりに豪語したいのだが今回はそうもいかぬらしい。紳士にも情けなくなる日があるのだ。


私は誰に何と言われようと籠城戦を決め込み、御都合主義拍手喝采の妄想を垂れ流してきた事を信条としている。これからもそうするつもりだ。
しかし、現実はそうはいかないらしい。

例えば私がお笑い芸人になりたいと宣言したとする。まず、ネタを書かなくてはならない。人前に出なくてはならない。トーク力が無ければならない。何より人を笑わせなければならない。誇り高い紳士の道を行かんとしている私からすると、せいぜい思い出になるのが関の山だろう。職にするなど体がいくつあっても足りない。ならば信条どおり、ポワワンと乙女の様な思考で雲を浮かべるぐらいが丁度いい。そもそも、ネタってなんだ。
机に向かってみたが何も出ない。出ずに倒れる。観客が私の戦場だ。


ならば小説家はどうだろう。残念ながら絵が描けない私だ。イラストレーター、漫画家には残念ながら今からでは厳しいだろう。(実は憧れている。誰にも言わないでくれ給え、、)
そうなると文字!文字を並べ、物語を紡ぐ。正に私に向いた職業ではないか。きっと驚愕の新人として扱われ、書店やアマゾンでは品切れ。問い合わせが殺到。出版社は私に媚びへつらい、サイン会をすれば目を輝かせた黒髪の乙女達がギッシリと並び私を求める。(誤解を招きそうなので一応言っておく。決して破廉恥な意味合いではない。断じて)なるほど、なるほど。もうこれしかない。今から筆を取り、原稿を送りつけよう!、、
これまた難儀。ネタが出てこない。そもそも物語を書いた事が無いのと、文章の書き方が分からない。あとパソコンの機嫌が悪い時、私の調子も悪かったので思い切って初期化した。バックアップもせずに。ここが大事だ。バックアップもせずに。お陰でワード、エクセルが消え家で作業が出来ないという緊急事態だ。神が私の道を阻んでいる。もし書けたとして何になるのだ。賞などに引っかかるはずが無い。才能はどこか。


このように何だかずっと弱気なままだ。このままでは自身の虚無感に押し潰される。誰か、私の才能を掘り出してくれ。それかくれ。というか下さい。お願いします。才能をくれる方求む!!

敬具 才能豊かなあなたへ


才能乞食屋