とにかくオバマのやること言うこと、オバマの提案や法案に、
それが国民にとって良い事だとしても
とにかく全力で阻止し続けた共和党員で占める合衆国議会。
去年のクリスマスが終わった頃
もうすぐ任期を終えようとするオバマが「Emmett Till act」にサインという
小さな記事。
1970年代以前に起きた人種差別による殺人や誘拐、暴行等の未解決事件を
FBIが永遠に捜査を続ける許可を認めた法案にオバマがサインしたのだ。
その象徴ともいえる合衆国内のヘイトクライムの中で最も残虐な死に方をした
14歳のエメット・ティルは、
白人女性にただ口笛を吹いたという理由だけで
顔の原形がなくなるほど暴行を受け、有刺鉄線に釣り上げられ、
最後は川に捨てられ、白人2人が犯人である事は分かっているにも関わらず無罪判決。
南部のアラバマやミシシッピーにジムクロウ法があった1950年代の出来事。
講義でこのドキュメントを目の当たりをした時に
言葉にならなかったのを覚えている。
数年前ロバート・レッドフォードの監督作品「声をかくす人」で
奴隷解放宣言の憲法修正13条を発令するまでを描く中で
リンカーン暗殺の共謀者としてアメリカ合衆国史初の女性の死刑にスポット。
その後、カリフォルニア コンプトン出身の女性監督エイヴァ・デュヴァーネイが
キング牧師の公民権運動を描いた「グローリー/明日への行進(セルマ)」では
アカデミーノミネート上にあがったものの、
白さと男性優位が目立つアカデミーでの黒人女性は受賞にならず。
そのコンプトン出身の伝説ヒップホップグループN.W.A.の
「ストレイト・アウタ・コンプトン」が
警察との対立を描きつつ音楽映画としては異例中の大ヒット、
メディアシーンも賑わせ興行収入も大きかったにも関わらず
これもまたノミネートと言わずとも出演関係者誰一人招待もされず。
そのコンプトン、イングルウッド、サウスロサンゼルス等といえば
ロサンゼルスの中でも犯罪と言われる全てものが密集し
国中のギャングも含めマイノリティはここに集結している と言ってもいいくらい。
なので黒人の若者達の50~60%が刑務所にいるか、
保護観察中か仮釈放中という図式。
というイメージを奴隷時代からさかのぼり、
アメリカ国内のロケーションを踏まえつつ
現代の司法の問題、しいては憲法13条の問題をドキュメントフィルムの形で
世界中の加入者数8000万人以上が加入しているNetflixで配信したのは
ちょうど去年のヒラリーとトランプの大統領選中。
「グローリー」後の次回作映画はロサンゼルス暴動をモチーフにしたいと
インタビューで答えていたエイヴァだったので
このドキュメント「13TH」(アメリカ合衆国憲法修正第13条)は
前哨的な思惑だったのかもしれない。
リンカーンの奴隷解放宣言で有名な憲法修正第13条は以下。
第1節 奴隷制もしくは自発的でない隷属は、
アメリカ合衆国内およびその法が及ぶ如何なる場所でも、
存在してはならない。
ただし犯罪者であって関連する者が正当と認めた場合の罰とするときを除く。
第2節 議会はこの修正条項を適切な法律によって実行させる権限を有する。
『ただし犯罪者であって関連する者が正当と認めた場合の罰とするときを除く。』
環境保護や動物保護、
「白人特権」には関心が高い一般市民のアメリカ人だが
犯罪者達には関心が薄いのでその犯罪者達を奴隷に置き換え、
形を変え言葉を変え、現代の奴隷を合法的に作り上げてしまうシステム。
1970年代に30万人だったマイノリティ受刑者が現在は200万人以上、
700万人が仮釈放中、黒人にデータスポットをすると
18歳から30歳までの黒人3人に1人が刑務所か仮釈放中、
世界で最も収監率が高い計算になるという。
役人の”税金”チェックに厳しいカリフォルニア州ですら
死刑を実行する為に10億ドルを投入するなんて馬鹿げた住民投票があったくらいに。
この13THの解釈を時の政治家達が、国家権力者達が、
ニクソン大統領が「Black code」を発想し
「麻薬戦争」のタイトルでレーガンが実行し
軽犯罪でも3回捕まったら終身刑や死刑になる「3strikes law(三振法)」も、
警察権力を強め暴動の際には軍隊出動を強め、
結果、強固な不法移民取り締まりにも繋がった現象に陥らせたのは
ヒラリーの夫、クリントン政権時代。
やってることも言ってる事も共和党と変わらない事に
民主党離れと”リベラルは嘘つき”が定番になり
とどめは女性スキャンダルのオチ。は芸能ネタが好きな人達ならば
うっすら記憶に残っていると 思うけど。
この簡単に大量投獄ができるシステム改善や民間刑務所を減らす改革を進め
オバマが時間をかけ長期刑の軽犯罪者達の恩赦数1000人以上、
不法移民への恩赦数1000万人以上と歴代大統領の中で最も人数が多く、
ヒラリーがもし大統領になったらビル・クリントン時代の悪法を見直す事に
同意していた なんていうのも、
実のところ、白い男たちを怒らせ、白くない人達のジレンマが
大統領選への結果の一つ という 本当に皮肉としか言いようがない。
白人の場合、祖先の選択があって今に至るが
黒人の場合、祖先の選択がなかった。
経済や物理的な資源だとか領土だとかの欲望は知的ルールで
収める事はできても(という薄い希望)、
カラーブラインドの歴史と事実との向き合い方、闘いは、
何かが変わって誰が大統領になっても本能的に永遠と続く。
アジア(日本含め)もイギリスもヨーロッパも中東もアフリカも。
オバマ政権時代に司法長官についたエリック・ホルダーと現職ロレッタ・リンチは
共にアフリカンアメリカン。
そしてロレッタは黒人女性初の司法長官。
それが、トランプ当選後、
早々と司法長官に確定したジェフ・セッションズは
他称”差別主義者”として親子代々KKK(白人至上主義)擁護発言(本人は冗談と弁明)を
トランプ以上に過激な発言と恫喝を繰り返している男なのだ。
キング牧師の公民権運動時代に
どれほどのアフリカンアメリカン達が暴行を受け逮捕されたか
あの地、アラバマ セルマ出身というのだから。
悪い冗談としか思えない。
つい数日前もNAACP(黒人地位向上協会)のメンバーが
次期トランプに対する抗議デモでセッションズの事務所に座り込んでいたら
あっけなく6人が逮捕 といういうのだから。
http://www.bing.com/translator?from=&to=ja&setlang=ja
レーガンが撃ちトランプが牙をむく
刑務所ビジネスは不正と恐怖を増幅
Blackへの憎悪を愛国者があおる
Blackが自由になれば アメリカも前へすすむ
今は耐えよう。もう少しだけ頑張れ
13THのエンディングに流れる「Letter To The Free」。
ラッパーのコモン、ジャズピアニストのグラスパー、ソウルシンガーのビラルが
去年ホワイトハウスのライブラリーでこの歌を披露できたのも
オバマの8年間があったから。なんだろう。
ベースもソウルも上手い
サウスセントラル出身(現サウスロサンゼルス)の
タイダラーサインの兄弟は証拠がないにも関わらず殺人に関わったとして収監中。
どう見てもこの映像は13THにインスパイアさているでしょ(という想像)
とはいえCampaign(選挙運動)とは全く関係なく
タイトルトラックが「Campaign」というだけ。
ポルシェ911もモデルも酒も
金を稼ぐ為に金庫に戻り、金庫に金を保管して
もっともっと稼ぐ為に戻った なんていう気ままな内容が
よりアメリカのアイロニーが。
Ty Dolla $ign - Campaign ft. Future
両親はナイジェリアのヨルバ族出身、
そしてアメリカへ移住しワーレイは移民2世。
そのワーレイがJコールをフィーチャーし
この3年間の警察と黒人の状況を映像に映る姿は
何ら50年前と変わらないアメリカ。
タイトル「Pessimist」とは悲観論者の意。
アメリカの夢と悪夢。
ここで礼儀正しくしても俺たちはhopeless(絶望的)
チラリと映る2Pacにまるで助けを呼んでいるかのような
悲しみだけの映像。
Wale - The Pessimist ft J Cole
