カラオケでフラワーカンパニーズの『深夜高速』や

紅の豚の歌「時には昔の話を」を

夫が歌うのを聴くと

わたしは号泣していた。

その頃はしょっちゅう心が弱っていたので

素人の歌でも感動して泣けちゃうのだ。

さすがに今は穏やかな心持ちなので

泣くことなんかないだろうと思っていたのだけど

まさかの自分の選曲で号泣。

宇多田ヒカルの「花束を君に」。

最初のワンフレーズで、もう無理ってなった。

亡くなった母を想ってつくった曲だと言われているけど

実際のところ、どうなのだろう。

車の運転があるので

やむなくアップルジュースを頼んでいた夫は

そわそわとそれを飲んでやり過ごしていた。

 

不妊と向き合うようになってから

親について考えることが多くなった。

わたしは自他ともに認めるママっ子だ。

仲いいなんてもんじゃない。

わたしにとって、母はいつも味方だった。

もちろん、叱られたり怒られたりもするけど(未だに)、

そこにはちゃんと愛情があるのだと

安心して怒られていられる。

わたしが子育てをするときに多分いちばん参考というか思い出すのは

子育て本ではなく自分の母親の言動だと思う。

そう考えると、到底できないんじゃないかって気持ちになる。

わたしはあんなに忍耐力はないし

苦しみや辛さを背負える自信がない。

妊娠もしてないのに

ふと夜に大きな不安に駆られた。

母は言う。

「あなたに早く子どもができてくれた方が安心する。

子どもがいないと最後まで大事なのがお母さんになっちゃうでしょ。

でもお母さんの方が先に死んでしまうから」

そうなったら、わたしは大事な母を失ってひとりぽっちになってしまう。

母はそれを心配している。

どこまでも親なのだ。

どこまでいっても親なのだ。

たとえ、いつか死んでしまっても。

 

そんなことを思いながら

また「花束を君に」を聴いていた。

スポーツジムのウォーキングマシンに乗って。

傍から見れば、何時間歩いてんだ!?って感じだっただろう。

泣いてしまうのを我慢していたから。

わたしが子どもができたよと言ったら

母は喜びよりも先に

すごくほっとするんだろうな、と思う。

 

デュファストン10日間分を忘れず飲み終えて

あとは生理が来るか来ないか待つだけです。